GIS奮闘記

元GISエンジニアの技術紹介ブログ。主にPythonを使用。

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投影法、座標系、測地系、それぞれの違いについて

今回はGISの基本的な概念である「投影法、座標系、測地法」とそれぞれの違いについて書いてみようと思います。GISに関わっているとこれらの用語には必ず出くわすと思います。

 

しかし、それぞれの違いについてよくわからない、という方も多いのではないでしょうか?例えば、業務では平面直角座標系(JGD2000)を使用しているが、平面直角座標系、JGD2000の違いを即座に答えられる方は少ないような気がします。

 

以下のようなサイトで確認しても難解な言葉の連続でよくわからないですね。←国土地理院さん。もう少し簡単にお願いします・・・

日本の測地系|国土地理院

 

GISを扱う上で必須なこれらの概念、つまり、「投影法、座標系、測地系」のそれぞれの関係性を表にしてみました。

 

この表だけあれば問題ないという方が大半かと思います。これ以降の説明はおまけくらいに思ってください。

f:id:sanvarie:20151231093709p:plain

 

測地系

測地系(そくちけい)は、地球上の位置を経緯度(経度・緯度)及び標高を用いる座標によって表すとき、前提とする条件のことです。座標系やら投影法やらありますが、まず測地系ありきということですね。

世界測地系

日本測地系より新しい基準。日本測地系は使用せずにこちらに移行しましょう、という傾向がみられる。「WGS1984(WGS84系)」はアメリカの基準でGPS関係などに使用されているとか。なので、とりあえず「JGD2000」を使用しておけば問題ありません。

※最近は東日本大震災による影響でJGD2011なるものが出てきました。すみませんが、本ブログでは割愛させていただきます。

日本測地系

世界測地系より古い基準。ただ、田舎ではまだまだ使用しているところが多い気がする。「日本測地系」=「TOKYO」で問題ないと思います。

 

投影法

投影法とは3次元の立体を2次元の平面上に表現する方法のことをいいます。要するに投影法とは「地理座標系」「UTM座標系」「平面直角座標系」の総称、また、投影座標系は「UTM座標系」「平面直角座標系」の総称ということで問題ないと思います。おそらく「平面直角座標系」を使用しているという方が多いのではないでしょうか。以下にそれぞれの説明を記載しますが、こういったものがあるのか、くらいの認識で大丈夫だと思います。

 

地理座標系

経度は赤道を基点(0°)として南北の、緯度は旧グリニッジ天文台跡を基点として東西の、それぞれ角度を表した数値です。

 

UTM座標系

東西方向に水平に保たれた円筒の中に地球をはめ込んで、地球の中心と地表面上の点とを結んだ直線が円筒と交わる点に印を付けて、円筒を展開したもの。投影誤差を小さくするため地球を60の帯(ゾーン)に分けて、それぞれの平面に投影しています。

 

平面直角座標系

日本国内を土地の状況に合わせて19に分割します。1つの区画は、原点から東西に130km、計260kmの幅になります。それらの分割区画は、第1系~ 第19系と番号付けされ、地図を扱う上では目的とする地点がどの系に含まれるかを知らなければなりません。1/2500地図のような比較的狭い範囲の地図 に適した座標系です。

 

上記の表を見ればなんとなく、投影法、座標系、測地系、それぞれの関係性が見えてきたのではないでしょうか。すべてを一気に覚える必要はなく、まずは世界測地系と日本測地系の違いから覚えてみるのがいいかもしれません。

 

 タイトルとは直接関係ないのですが、投影法、座標系、測地系以外にもGISに関して知りたいことがたくさんあるという方は、以下のエントリーをぜひ読んでみてください。

www.gis-py.com

 

以上、「投影法、座標系、測地系、それぞれの違いについて」でした!