さて、大変な世の中になってきましたね。コロナウイルスが猛威を振るっていますが、今回はその拡大状況を可視化してみようと思います。実現するには色々な方法がとれると思うのですが、私は ArcGIS Pro を一押しします。
使用するデータ
①コロナウイルス関連のデータ
東洋経済オンラインさんが github で感染状況を CSV として公開していますので、こちらを使用させてもらいます。
公開されている CSV の中身
- data.json・・・json で公開しているデータ
- demography.csv・・・年代ごとの感染者の統計
- prefectures-2.csv・・・日ごとの各都道府県の陽性者数と検査人数の累計
- prefectures.csv・・・日ごとの各都道府県の患者数(2020年3月28日からは感染者数)の累計など
- summary.csv・・・日ごとのPCR検査陽性者の累計など
※今回はprefectures.csvを使用します。
②日本地図
ESRIジャパンさんが公開している「全国市区町村界データ」を使用します。
実行環境
Windows 10 64 bit
ArcGIS Pro 2.4
データ作成手順
- prefectures.csv を FGDB にインポート
- 「1」のデータを加工
- 全国市区町村界データを FGDB にインポート
- 全国市区町村界データを加工
- 「2」「4」のデータをテーブル結合
- 「5」のデータに対してシンボル設定
1. prefectures.csv を FGDB にインポート
テーブル → テーブルのジオプロを使用します。
テーブルが作成されました。
2. 「1」のデータを加工
当該データには「公表年」「公表月」「公表日」というカラムがありますが、これらを一つのカラムにまとめます。
①「年月日」という日付型のカラムを作成します。
②フィールド演算で「公表年」「公表月」「公表日」カラムの値を「年月日」カラムにセットします
③「年月日」カラムに値が設定されていることを確認してください
3. 全国市区町村界データを FGDB にインポート
フィーチャークラス → フィーチャークラスのジオプロを使用します。
全国市区町村界データがインポートされました
4. 全国市区町村界データを加工
当該データは市区町村単位なので、県ごとのポリゴンに加工します。ディゾルブのジオプロを使用します。
県ごとのポリゴンになりました。
以下エントリーで同じことを ArcPy で実行しています。興味のある方はぜひ読んでみてください。
5. 「2」「4」のデータをテーブル結合
テーブル結合のジオプロを使用します。
二つのデータが結合されました。
6. 「5」のデータに対してシンボル設定
「5」のデータに対して以下のように等級色でシンボルを設定します。
作成したデータを時系列でみる手順
- 作成したデータに対して時間設定
- 時間の詳細設定
1. 作成したデータに対して時間設定
作成したデータ(レイヤー)を右クリック>プロパティをクリックしてください。
時間タブを以下の画像のように設定します。
2. 時間の詳細設定
時間タブ内の設定を以下の画像のようにします。
このような感じで感染が拡大していく様子がわかります。岩手県など、感染者数がゼロ(2020/4/6時点)の県もあるようですね。
薄い青・・・感染者数が少ない県
濃い青・・・感染者数が多い県
さいごに
ArcGIS Pro を使えば、簡単にコロナウイルスの感染拡大状況を時系列でみることができます。東洋経済オンラインさんが公開している他のデータを利用すれば、より詳細にデータを可視化・分析することも可能ですね。今後、ArcGIS Pro だけではなく、他の手段でも同じことができるか試してみようと思います。本日は以上です。